- 湿度60%以上
- 温度が25~28度
- 酸素がある
この3つの条件が揃った場所ならどこでも生きられるモノ、な~んだ?
正解は、もちろん、ダニ。
今日のテーマですからね、ダニです、ダニ。
因みに、上記の条件が揃っていても食料がないと生きられないのですが、カビ・フケ・アカ・ダニの死骸・食べかすなどを食べるので、ダニにとって「食料がない」場所は存在しないと思ってもらった方が良いでしょう。
さらに、ダニの最も怖いところは、環境が整うと爆発的に繁殖するという点。
数が多くなると、アレルギー症状を引き起こす原因になることもあり、人間にとってダニの駆除は健康や生活を守るために欠かせないものとなっています。
そして、それは「ペット(犬&猫)」にとっても同じなのです。
ペットに寄生する主なダニは4種類
さて、人間にとってもやっかいなダニは、ペット(犬&猫)にとってもやっかいな存在です。
ペットの被毛や皮膚に寄生してしまうダニは、主に4種類。
まずは、この4つの種類を見ていきましょう。
マダニ
有名ですね、マダニ。
世界中で、なんと800種類以上!もいると言われている屋外種(屋外にいるダニ)です。
肉眼で見ることができる大型のダニで、体長は3mm~8mm。
ただし、飽血状態(満腹状態)になると、なんと10mm~20mm!もの大きさになります。
屋外に生息するダニのため、室内のみで飼っているペットはまず大丈夫だと思いますが、屋外で飼うことの多い犬、脱走癖のあるような猫は、注意が必要です。
ちなみに、ダニは「湿度」が低いと生きていけないので、乾燥する冬には生息しないと思われがちですが、温暖な地域では冬でも立派に活動しています。
ペットだけでなく、人を刺して血も吸いますよ。
なお、マダニについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
ヒゼンダニ
ヒゼンダニは、「皮膚疥癬症(ひふかいせんしょう)」という激しいかゆみや皮膚炎を起こす皮膚病を引き起こすダニとして知られています。
特徴としては、皮膚の表面を歩き回る性質のため、皮膚同士または衣服同士の接触で簡単にうつる可能性があります。
体長は0.4mmほどなので、肉眼で見ることはできません。
このダニによる「皮膚疥癬症(ひふかいせんしょう)」は、生命的な危険を伴うことはありませんが、上記のような理由から、簡単に感染が広がってしまう恐れがあります。
ミミヒゼンダニ
ミミヒゼンダニは、通称「耳ダニ」と呼ばれ、その名のとおり、ペットの外耳道(耳たぶから鼓膜までの間)の表面で耳アカを食べながら生涯を過ごします。
「耳疥癬(みみかいせん、通称:耳ダニ症)」という症状を引き起こす原因となるダニです。
上のヒゼンダニ同様、とても寄生しやすく、ダニが寄生しているペット同士の接触によってうつったり、外に出たペットが家の中に持ち込むこともあるようです。
ツメダニ
こちらも有名ですね、ツメダニ。
屋内に生息するダニで、犬に寄生するのが「イヌツメダニ」、猫に寄生するのが「ネコツメダニ」と分かりやすく分類されています。
どちらも、巨大なかぎ爪を持っているのが特徴。
「ツメダニ症」と呼ばれる皮膚疾患を引き起こし、軽度のかゆみと「大量のフケ」を発生させます。
ツメダニには他にも種類があり、人を刺すものも存在します。
ペットに寄生するダニの感染症
ペットに関わるダニとして4種類のダニを取り上げましたが、この中で一番やっかいなのは「マダニ」です。
ダニが引き起こす感染症は、軽い痛みや痒みなどの軽度のものから危険度の高いものまで様々。
その中でも「マダニ」は、危険度の高い感染症の原因となることが多いのですね。
ここでは、その危険度の高い感染症を4つ紹介します。(ペットにとって危険度が高いという意味です)
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、マダニが媒介する感染症。
マダニは、成長するために哺乳類の血液を吸います。
このマダニがSFTSウイルスを保有していると、吸血の際に感染し発症に至ります。
原因不明の発熱や嘔吐、下痢、倦怠感などの症状が認められ、今のところ有効な薬やワクチンはない模様。
そのため対症療法(主要な症状を軽減するための治療を行い、自然治癒能力を高め、かつ治癒を促進する療法)が最善の対処法となっています。
国内でも発症した例が確認されており、犬・猫の区別なく感染する恐れがあります。
ちなみに、人間にも感染し、致死率は最高で30%とも言われています。
ライム症
ボレリアという細菌の一種が引き起こす「ライム症」。
これも、マダニが媒介となって発症します。
筋肉痛や関節痛、頭痛、発熱、悪寒や全身倦怠感といった、インフルエンザのときのような症状を伴うことがあります。
病原体が全身に拡散するに伴い皮膚症状、神経症状、心疾患、眼症状、関節炎、筋肉炎などの症状もみられるようになるそうです。
このライム症に対しては、いま現在、日本国内でワクチンが使用できません。
ですから、まずは予防対策が重要となります。
犬バベシア症
マダニを媒介して犬の体内に入った「バベシア」と呼ばれる原虫が、赤血球の中で増殖することで引き起こされます。
貧血や赤い尿が主な症状で、重症化すると嘔吐、下痢、発熱、食欲不振などの症状が見られます、が…。
急性の場合には、黄疸や衰弱などによって死に至ることもある恐ろしい感染症です。
以前は西日本特有のものとされてきましたが、今では関東以北でも発症が認められるようになり、全国的に感染のリスクがあることがわかってきています。
猫ヘモプラズマ感染症
猫ヘモプラズマ感染症は、病原体が猫の赤血球に感染し、それを破壊することで貧血を引き起こす病気です。
ダニやノミによる媒介、咬傷などによって感染すると考えられています。
元気がなくなったり、発熱したり、食欲不振や脱水症状のほか、貧血による粘膜の蒼白、脾臓が大きくなる(おなかが大きくなったように見える)などの症状が見られます。
感染したまま放っておくと死に至るケースもあるようなので、早めに獣医師に見てもらう必要があります。
ペットに寄生するダニの駆除方法
怖いですね~、ダニの感染症。
マダニは大きいので肉眼でも分かりますが、一般的なダニは肉眼では見えないもの。
目に見えないモノって、それだけで怖くないですか?
ましてや、感染症まで引き起こすのですから、なるべく寄生される前に駆除したいですよね。
そこで、最後にダニを駆除するための有効な方法を2つご紹介して終わりたいと思います。
屋外のダニ対策
何度も述べてきたように、屋外のダニで一番やっかいなのが「マダニ」。
ペットに対するマダニ対策としては、専用の『駆除薬』を使用するのが最も効果的です。
犬や猫は平気で草むらに突っ込んでいきますからね~。
でも無理やり止めさせるのもかわいそう…。
そんなペットには、あらかじめ駆除薬で予防を施しましょう。
ダニの駆除薬には経口タイプと外用タイプがあって、どちらが優れているということはありません。
おやつ感覚で食べられる経口タイプは人気がありますが、何となく副作用が怖いという方には、首の後ろに液体を垂らすタイプの外用薬が支持されているようですね。
なお、以前からシャンプータイプのものもありますが、予防効果は弱いというのが一般的な見方です。
なので、わたしも使ったことはありません。
そんなペットにピッタリのマダニ駆除薬を多数そろえているネットショップが、『ペットくすり』というおくすり屋さん。
わたしもちょくちょく利用させてもらってるオンラインショップです。
理由は、日本では手に入りにくいアイテムが入手できるのと、まとめ買いするとお得になるから(個人的にはかなり安いと思ってます)。
興味のある方は、『ペットくすり』の公式サイトを覗いてみてください。
中でも、ノミ・マダニ駆除薬ランキングは、口コミ評価も見られてオススメですよ。
屋内のダニ対策
一方、屋内のダニ対策ですが、こちらの場合感染しても軽度の症状で済むケースが多いので、それほど神経質になっていないかもしれません。
でもですね、屋内のダニはペットだけでなく人間に対するアレルギー症状などを引き起こすことが多いんです。
かぶれ、かゆみ、痛みなどで眠れないという悩みを抱えている方も多いそうで、特に小さいお子さんがいる家庭では注意した方が良いと思いますね。
そんな屋内のダニに対しては、くすりを使うよりもダニを一網打尽に退治してしまう「駆除グッズ」を使うのがイイでしょう。
リビング、寝室、台所など、目に見えないだけにどこに潜んでいるか分かりませんので、置くだけでダニを駆除できるグッズが望ましいですね。
そこでわたしがオススメするのが、『ダニ捕りロボ』というダニ退治グッズ。
『ダニ捕りロボ』と言ってもロボットじゃありません。
シート型のダニ捕りグッズなのですが、その効能がものスゴイ!
こちらの記事で紹介していますので、興味のある方はチェックしてみてくださいね。
冒頭でも述べたとおり、ダニは条件さえそろえばどこでも生きられて繁殖できます。
そして、多くのダニは肉眼で簡単に見つけることができません。
ですから、犬も猫も人間も、事前に予防策を講じておくことが必要になるのです。
大事なペットを、家族を、ダニの魔の手から守るのはあなた。
そしてあなた自身も、感染しないように気を付けてくださいね。